濃みの技!   

2013年 08月 12日

皆さん、こんにちは

「陶工のつぶやき」5人目は、下絵付けの濃み(ダミ)の職人さん 福田 直子さんをご紹介!
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濃み(ダミ)とは、線描きした内側や外側を広く塗りつぶす事で、線描きと同じ呉須を水で薄めて濃淡を出します。
線描きの外側を塗る事を"外濃"、内側を塗る事を"本濃"と言います。
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描き筆とは違い広い面積を塗るため、たっぷり絵具を含ませられるよう筆は大きな作りになっています。
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源右衛門窯の染付"濃みの表現"に特徴があります。
下絵付けは素焼生地に絵付けをしますが、吸収性が高く、すぐ絵具を吸ってしまいムラになりやすいのです。濃みの技!_b0289777_1039484.jpg
そのムラを一定のリズムで塗る事によって、模様のような表現をしているのが源右衛門窯の濃みの特徴です。その流れの事を『濃み足』と言います。


今、福田さんが濃みをされているのは展示所前にも置いてある『染付梅地紋』傘立てです。
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素焼きの時は完成品より約1割ほど大きいため、大物を製作する時は、またがっての作業です。絵具が流れないよう、また塗った後をこすらないよう、かなり神経を研ぎ澄まさないといけません。
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福田さんのコメント
「染付で濃みをやっていますけど、自分の思い通りにはなかなかいきません。濃みのこさや、濃み足など毎回難しいです。これからも、絵を引き立てるような濃みが出来たらと思っています。」

今日、傘立てが本窯から上がっていました。
福田さんは満面の笑みを浮かべていました(^-^)♪

by gen-emon | 2013-08-12 12:07 | 陶工のつぶやき

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